豊穣たる熟女たち
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豊穣たる熟女たちとの新年会:小川町ラ・コモディタにて

例の豊穣たる熟女たちと、神田小川町のイタリア・レストラン、ラ・コモディタで新年会を催した。この店は羽田のアナゴ仲間と昨春訪れた際、味も雰囲気もよかったので、熟女たちにも喜んでもらえるだろうと思ったのだ。そのときには淡路町2丁目の交差点近くに店を構えていた。だが彼女たちをそこへ連れて行ったところ、シャッターが下ろされて、開いている様子がない。

これはどうしたことかと不思議に思いながら近づくと、シャッターに移転通知のビラが貼ってあった。読むと小川町交差点近くの裏道に移転したと書いてある。幸いそんなに遠くはない。そこで移転先まで歩いていって、やっと席に腰掛けることが出来た。

店内の様子を伺うと、いままでより一回り広いようだ。家具や調度の類もいっそう洗練されている。一方メニューのほうは従来のものを踏襲している。つまり値上げはしていない。またいままでは裏側に隠れていた厨房がカウンター越しに客席を向いていて、調理の現場を見ることができる。四人ばかりいる料理人のうち、ひとりはイタリア人だ。

前回同様ディナー・コースを頼んだ。前菜が二皿とパスタ、メインディシューの組み合わせだ。パスタとメインディシューは何種類か用意されていて、その中から自分で選べる。それぞれ味もよく、ボリュームも申し分ない。

ビールで乾杯した後、ゆっくりしたペースで運ばれてくる料理を食いながら世間話に興じる。彼女らと職場を別にしてもう半年以上にもなるので、仕事のことは話題に上らない。みな銘々にしゃべりたいことをしゃべる。筆者はいつものとおり聞き役に回ることが多いが、時には口を挟むこともある。

筆者のブログが話題になった。毎日毎日よく飽きもしないで書き続けることができるのねというので、物をかくのは嫌いではないし、頭を働かせているとボケ防止にもなるからねと答える。最近の記事はエロティックな内容が目立つわねといわれると、いくつになってもセックスにまつわることは楽しい話題さとごまかす。

そこから話題はちょっぴりエッチなものになった。まず筆者が最近書いた記事を引き合いに出して、セックスの楽しみ方について講釈する。するとそんなこと講釈されなくても知っていますとかわされる。でもお互い年をとって肉体が衰えてくると、なかなかうまくいかないこともあるだろう。いいえ年相応に工夫しながら楽しんでいます。そういえば森鴎外の母親も灰になるまでセックスを楽しみたいといっていたなあ。わたしらだっていつまでも女の現役でいるつもりです。

こんな具合で、大人の話が延々と続く。やはり率直に語り合える異性を友達にもつことはいいことだ。

筆者は途中から赤ワインに切り替えた。彼女たちはワインは普段飲まないという、すこしやってごらんと勧めたら、みな口に含んだまま渋い顔をする。どうやら酸味が口にあわないようだ。

一通りコースが終わったところで、筆者の腹具合は八分目に達したが、彼女らは、折角イタリア料理を食べに来たのだからピザも食べてみたいわ、その分別腹を用意してあるからと言い出した。そこでピザを二枚追加注文することとした。結構大きくてこれだけでも食いでがあるが、彼女らは嬉々として食っている。本当に腹を二つ持っているようだ。

こんなわけで今宵も楽しく過ごすことができた。次は桜の花が咲く頃、花見をかねて会うことにしましょう。





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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2012
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