豊穣たる熟女たち
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豊穣たる熟女たち:神田淡路町の中華料理屋王府酒家にて

例の豊穣たる熟女たちと二ケ月振りに会った。小川町の駅で待ち合わせ、淡路町交差点近くにある中華料理屋王府酒家に入る。このメンバーで中華料理を食うのは初めてのことだ。

席について乾杯するや、すかさざ熟女たちが不平を述べ立てる。先日秋葉原駅前の小公園で待ち合わせ、築地のすし屋に向かったことをブログで書いたことがあったが、その記事の一部が気に入らないというのだ。なんのことかと思うと、パイプ柵に三人並んで腰かけ、筆者を待っていた後姿が、カササギに似ていると書いたところが気に入らないというのだ。

だいたい熟女たちをカササギにたとえるなんて、あまりにもひどすぎるわよ、カササギなんて烏の仲間でしょ、しかも烏よりずっと貧相だというじゃない、わたしたちはあの記事にとても傷ついたのよ、というわけだ。

ああ、そういうことでしたか、それは大変失礼しました、別に悪気があって書いたわけではなく、熟女たちに寄せる筆者の好意の表れと受け止めて欲しかったのですが、もし御気に召さなかったら、素直に謝ります。

カササギは日本では珍しい鳥で、しかも夫婦で仲良く子育てをするところなどが微笑ましく、筆者などは気に入っているのですが、たしかに姿かたちは烏に似ている、あのフランソア・ヴィヨンが絞首台に吊るされたときにも、ヴィヨンの目玉をつついたりしましたね、熟女たちに評判が悪いのは無理からぬかもしれません。

こんな調子で小宴が始まる。この店は表通りから一歩入った路地に面しているため、都心にありながら結構静かだ。半地下式だが、窓際の席は開放的な気分が味わえる。肝心の料理のほうは、四川料理をベースにしてなかなかの味だ、しかも安い。ちょっとした穴場だといってよい。

この日はあらかじめコース料理を注文しておいた。前菜から始まって8品ばかり、最後にはチャーハンが出てきた。みなうまそうに食っている。

筆者は生ビールを二杯飲んだ後は紹興酒に切り替えた。酒に強いT女にも勧めたところ、眉をしかめながら飲んでいる。養命酒みたいに薬くさいのが鼻をつくのだという。そうかなあ、筆者などはこれほど中華料理とマッチする酒はないと思うのだがなあ。

ところで先日約束した絵のプレゼントの件だけど、欲しい絵が決まりましたか、そういうとT女が携帯電話を取り出してネットに接続し、三人それぞれが欲しいと思う絵を示してくれた。M女とT女は風景画、Y女は子どもの絵だ。

額に入れてお化粧をし、それぞれ近日中に郵送しましょう。





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